2010年7月30日金曜日
さよならは言わなかった・・・:楽器の撤収
楽器や機材の引き取り/預かりのために、久しぶりにバンド仲間が集まりました。ちょっとした同窓会みたいで、楽しいひと時でした。
大量の機材を、仲間みんなで手分けして預かることに。
私は、借りている機材(バンジョー、ベースアンプ、デジタルミキサー、クラッシュライドなど)をそのまま預かり、練習場に置きっぱなしだった自分の機材(ベースギター、マイクスタンド、ケーブル、小型ミキサー)を引き取り、それに不要になった品物(なぜかハワイアンの衣装やレイも。)も思い出に頂いてきました。
14年間の音楽の染み込んだ床や壁、カーテン、棚に心の中で「ありがとう」と言いました。この場所を使わせて下さった仲間にも心を込めて感謝しました。
この社員食堂は、会社の他の施設・敷地とともに来月引き払われ、売りに出される予定です。
幸いなことに、会社は規模を縮小して存続することに。
私の中にかすかな希望の灯火がともりました。
いつかバンド再開の日が来る・・・と。
依頼PAの打ち合わせに行ってきました
舞台セッティングの説明に慣れていない団体さんによくあるのですが、ステージプランニングの図がさっぱり分からない・・・
でも要望を聞いているうちに図の意味が分かってきます。
PAをよくご存知のバンドさんは、頂いたプラニングシートで殆どOKです。
今回は、ステージPAに慣れない団体ですが、バンドさんなので、大体のイメージが分かります。
メインのジャズバンドさんと、ゲストのクラシックの声楽家さん、ピアニストさんたちの演奏があります。
5月末に行った10数グループ出演の和楽器のコンサートに比べて、はるかに楽です。
ご高齢のメンバーのベテランぞろい。
どんな音楽を奏でてくれるのでしょうか。楽しみです。
2010年7月15日木曜日
さよなら は言わない
ぜいたくにも楽器や器材を置いたままにして、長い間、使わせて頂いていた練習場が、使えなくなることになりました。
楽器の引き取りや器材の処遇を話し合うことになりました。
わたしも、お借りしていた沢山の楽器や器材をお返しするときがきました。うちの家族が、「スペースが戻ってくる」と喜ぶ顔が目に浮かびます(笑)。
創立以来14年間、私が参加してからこの5年余りの間、バンドの練習場になっていた某社の食堂ともお別れです。食堂の隅に作られたほんの少しの段差ですが、一段高い「ステージ」。隅にスポットライト風のライティングがあり、かつてはミラーボールもあったようです。人が横たわれそうな大きな道具箱には、衣装やレイ、打楽器小物などが入っていました。
初期のレーザーディスクカラオケや、デジタルミキサー、マイクやスタンド、ケーブル、と器材豊富。おまけに初期のエレクトーン、バンジョー、ギター、ドラムスなど、バンド所有の楽器も豊富。そこにメンバーが置いている楽器や器材類、という贅沢なバンドでした。探せば、まだまだ新発見のありそうな場所です。
ここは、私がそれまで味わったことの無い、独特の雰囲気をかもし出す不思議な場所でした。私はここで音楽の魔法にかかってしまい、以来、いまだに魔法は解けず、はまるばかりです。
この場所に特別の思いがある私は、この場所が使えなくなったとき、バンド活動も終わりになる、とずっと思ってきました。
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今、ちょっと違った気持ちでいます。
この魔法、誰か解いてくれるまで、終われません・・・
2010年7月12日月曜日
手は開かない・・・
こんなことして、1オクターブが届くようになるのかなぁ・・・と思いながら。
しかし、なんにもしなければ、このままだなぁ・・・
1オクターブ、やっと出てましたが、今日もやっぱり、やっとです。
古本屋で見つけた楽譜「乙女の祈り」はオクターブ練習にもってこい。
ようやくこの楽譜を開く時がきたぞ・・・
早くもザセツ。
4小節目の右手の親指はA4、小指はB♭5。1オクターブ+半音。全然届きません。
本を閉じて、棚に。
そんなに早く効果がでるわけもないか・・・
お酢を飲み、マッサージと柔軟体操を続けることにしよう。
2010年7月10日土曜日
ピアニズムというメソッド
浦和美園のイオン店内書店で、棚の大型本たちに埋もれていながら、妙に輝くうすい背表紙に吸い寄せられました。
『ピアニストへの基礎:ピアノの詩人になるために』(田村安佐子著、筑摩書房、1990年初版、2009年第17刷)
内容は、ピアノ演奏の真髄を美しい音と詩的な表現に置き、どんな超絶技巧も基本的な演奏アプローチのための身体と心造りなしに成り立たないことを説いています。脱力と無駄の無い最小限の動き、背骨と腰で支えるゆるぎない身体の芯の維持の大切さ。
心惹かれたのは、手のことです。
私の手は小さく、1オクターブも届きません。鍵盤の手前から押さえてようやく鳴らせますが、演奏には使えません。しかし、この本は、
◆手が小さいからといって諦めてはいけない。毎日、手を開く練習をし、手をマッサージしなさい。どんな年齢の人も確実に指が開くようになる。
と。
このメソッドを確立したマグダ・タリアフェロは90歳を過ぎるまで、元気に教育や演奏活動をしていました。彼女が自分自身の経験を長い時間をかけて分析し、生徒に伝えていったのがこのメソッドです。
pianism: The technique or execution of piano playing (by American Heritage Dictionary of English Language)
私は色々な楽器を手にするたびに、ある共通したことが心に浮かびます。それは、初めてバンドに参加して、そこで門前の小僧よろしく覚えたことです。
音楽は心を奏でるもの、力を抜き、イメージをうかべ、聞こえてくるみんなの奏でる音とリズムに乗り、あとは流れに身を任せる・・・そういったことでした。
バンドで教わったことも、のちに参加したアカペラで教わっていることも、このピアニズムの本が言っていることと少しも違っていません。私は、意識せずに最良の先生たちを選んでいたことに、今気づきました。これが自分の行きたい道だったのだ、と。
このところ、自分が変わっていくのを感じています。多分、音楽の師に恵まれた幸運を強く感謝している気持ちのせいでしょう。クラシックの教育を受けたプロでいて高校の同窓生のような仲間意識で向上を求め続ける歌の先生、独力で驚異的な造詣の深さと技術・完成を身につけたギターの先生はともに、「音楽」というマジックをかける魔法使いのようです。6年前に「音楽」の魔法にかけられ、以来それは解かれることなく、ある種の推進力になっています。
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アコーディオンを弾くと、蛇腹の呼吸が音を作り出す、その吐息が振動となって身体に伝わってきます。この本を読んで、初めてこの楽器の音を身体全体で感じられたような気がします。
ギターを爪弾くと、6本の絃のひとつひとつが、聞こえてきます。今までと違います。どうしてこうした違いが生まれるのか不思議です。
今日から、手をマッサージし、呼吸を整えて、ふりこ体操をしてから、楽器たちに向かうことにしました。