2015年10月13日火曜日

年末に第九を歌う

フィドルにはまってから、すっかり歌うことから遠ざかっていました。

結構長く楽しんだアカペラでは、「和音」の奥深い世界に分け入り、
やがて楽しみはフィドルのダブルストップになり、すっかり楽器党になりました。
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しかし、私の音楽仲間はみな歌が好きです。
合唱団を3-4も掛け持ちしている友人が複数います。

そして、晩秋もせまり、年の瀬が近づいてくると、みんなベートーベンの第九だけを歌うための、募集で集まった大人数の合唱団の練習へいそいそでかけます。
そして年末の本番で、何百人、中には千人以上の大所帯で、ドイツ語で高らかに歌い上げます。
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第九の練習シーズンが来たなあ…と思っていたら地元の市報に「第九を歌おう」の募集。
10月半ばから、全5回の練習で本番は12月半ば。
おそるおそる問い合わせてみました。募集人員は300名とありましたが、現在100名弱とのこと。

試してみよう…第九

2015年3月20日金曜日

Carl Hammig の作品

フィドル・セッション会は今回も盛況でした。
フィドラーが20数名も集まると壮観です。ほかにもマンドリンやギターで参加した方、そしてバッキングバンドと、体温だけでも熱気あふれるセッションでした。

伴奏ブルグラバンドはやる気満々で待機して下さり、私は二胡の友人とAmazing Grace を二重奏しました。二胡はバイオリンと音色がマッチしてアンサンブルに向いている、と主催者の方の感想です。

フィドルでは Flower of Mexico をソロ演奏しました。速弾きの曲で、Bメロ部分はまだ指がもつれそうで、演奏途中ストップしそうなので、伴奏を辞退したのですが、バンドさんが「大丈夫」「だいじょうぶ」と嬉しそうな笑顔でおっしゃるので、そのままGo!あとの記憶はどこかへ。
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さて、この日使った、Hammigバイオリンの話をまた続けましょう。

Carl Hammig については、ドイツの複数の旧いバイオリンメーカーブックのリストで、Meister、バイオリン製作者に関する英文サイトでもCraftsmanship とあります。

Carl H. Hammig が製作した楽器はアメリカのカーティス音楽学校(ペンシルベニア州フィラデルフィア)のコレクションに2本あることが分かっています

1932年に製作したビオラが、現在、ドイツのオンライン楽器販売に出品されています
こちらは、掲載写真のネックの上駒部分に修理跡の様なものがくっきり。ペグボックスがネック部分でポッキリ折れたかのようで、最初見るとはっとします。
そんな事故は、普通では考えにくいので、単に写真の光線の具合のせいかもしれませんが。

私の楽器もC部分のパフリング交差部の角が黒い焦げ色をしていて、先端が欠けています。初心者の弓ですり減ったとすると、上達はしなかったようです。
一枚板の裏板は表板と微妙に形がずれていますが、ニスのはがれ方が同じなので、経年変化のせいでしょう。
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ドレスデンは第二次大戦中の1945年、2月13~15日の間に、連合軍による4度にわたる大規模な空からの無差別爆撃を受け、市の85%が破壊され、数万から数十万の犠牲者を出したといいます。

楽器の損傷はこの空爆と関係あるでしょうか。
Carl Hammigもまたこの年に空爆を経験したのでしょうか。

彼はいつどのように亡くなったのでしょうか。(諸説:生年は1877年と1889年、没年は不明または1932~1945とする説があります。)


ドイツ製バイオリンは、19世紀末から20世紀初頭までの間、年間数10万本のバイオリンがアメリカに輸出され、ドイツの主要輸出品目かつ外貨稼ぎの筆頭でした。
同時期にバイオリン製作を行っていたHammigは、どんな人だったのでしょう。



2015年2月13日金曜日

フィドルセッション、ときどきf 字孔

毎年フィドル好きが集まるセッション会に今年も参加します。
参加者は必ず1曲、バンドさんのバッキングで演奏披露することになっています。
参加楽器、ジャンルはなんでもありのオープンな集まりですが、
これまでのところ、アイリッシュとカントリー系が主流です。

今年は二胡の友人を誘ってアンサンブルとソロ演奏を計画しています。
そして、私の楽器はHammig です。
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Hammigの楽器に出会ってからは、お宝バイオリン探しはとんとなくなりました。
これまで鳴らしたフルサイズ5本のどれもかなわないほどよく鳴るからです。

魂柱が通常より高いせいでしょうか、構えて右側の f 字孔の段差が左側より大きいです。
偶然こうなったのか、意図的に右側(音を飛ばしたい方向)の f 字孔を拡げたのか、
段差のある理由は分かりません。

これと同じ作り方をした(?)バイオリンを見たことがあります。
Gibsons製というバイオリン(写真:以前知人から預かり、クリーニングとチューニングをしてお返しした楽器)です。

このふたつの楽器はともに、際立つ大きな音が出ていました。
とはいえ、いわゆる「傍鳴り」かもしれません。
広いスタジオで、マイクと楽器の間に距離を置いて、Hammigの音を録音してみました。ほかの楽器に比べ、やはり大きな音がでています。
Hammigは低音部に深みがあります。しかし、高音部は、イタリアンのような明るい音ではなく、暗い響きがあります。
でも、これらは弦や駒、弓を変えると微妙に違ってきそうです。

音量を求める職人たちの中にはさまざまな工夫を行う人たちがいますが、f 字孔の段差もそうした工夫のひとつなのかもしれません。
自分も職人なら、やっているはずですから、そう思えてきます。