漁業の喪失:気仙沼の雇用問題
- NHKは被災地の状況をきめ細かく報道し続けています。
- ◆仮設住宅建設:用地を求めて◆大槌町では1万人以上がプライバシーのない避難所生活を続けており、早期仮設住宅建設が急務です。町長を含め、町役場の職員の4分の1を失った役場は、住民台帳も記録もすべて失い、機能出来ない状態の中、残った職員が必死で働いています。岩手県は用地が確保できれば、すぐにも仮設住宅建設にかかりたいとして、用地を求め現地視察に入りましたが、適当な土地が見つかっても、交渉すべき地権者が分かりません。
- ◆気仙沼:三陸の漁業基地壊滅◆大津波で流された漁船は1211隻。三陸の水産業は3500億円の損失です。漁船ばかりか、加工工場などあらゆる施設が流され、気仙沼では9つあった工場のうち8つが流失。800人が仕事を奪われました。 経営者たちが集まり、雇用を継続するかどうかを話し合いました。 仕事がない中、雇用を継続すると、休業手当に政府の8割負担があるにしても、被雇用者の休業中も経営者は社会保険負担を継続しなくてはなりません。ここは解雇するしかない状況です。しかし経営者の中には、解雇をためらう人がいました。
・解雇すると人材流出し、気仙沼の漁業を再建できないのでは…
解雇は、被災した気仙沼の人たちの心の支えを奪うのでは…
- この経営者は解雇せず、とりあえず休業扱いにすることにしました。しかし、この扱いも持ちこたえたところで、1年がやっとだろう、とのことです。 今年1年は漁ができません。どうやって人々の生活を支えていくのか。 事の重大さは日に日に迫ってきています。