数年前、これを読みましたら、アカペラでやっているハモリが少々色あせて見え、かなりのショックをうけました。
ピアノの平均律に合わせて作り出すハーモニーは、本当に響きあうハーモニーにはならない・・・
楽器によって音階構造が違うため、アンサンブルの音を美しく合わせるのは難しいけれど、それを合わせようとするのが演奏技術だ、というのです。
正しい音階(=純正律)を奏でる完璧な楽器はバイオリン(フィドル)だそうです。
以後、フィドルから視線がそらせず、ついに一昨年、フィドルに手をのばし・・・
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このほど、『正しい音階』を読み返して納得したことがあります。
例えば、コードのE(EとBの2音)を出すため、第一指で2ー3絃を同時に抑えたとき、どうしても、指が抑えた2絃Bの位置は、3絃のEよりもナット寄りにずれます。
教則本には、指板上同じ位置を抑えるように書いてありますが、どうやっても指はその通りに抑えるのは難しい・・・。でも、ずれたまま弾くと・・・
気持ちのよいハモりを奏でます。(なぜ?)
その説明になるものを見つけました。
下の写真のEとBのポジションの違いがそれです。
The Irish Fiddle Book by Matt Cranitch, p.46 |
『正しい音階』 溝部圀光著、90頁 |
奏でたのは「純正律」EBの心地よい響きです。
「純正律」を求める人たちが、バイオリンの伴奏に、ピアノでなくハープを使っておられることもうなづけました。
こうなりますと、様々な楽器の演奏者もみな、心地よい音を求めて、
演奏技術を磨いておられるわけです・・・分かってきた気がします。