8月は猛スピードで去り、はや9月。
4ヶ月の昏睡状態を経て義母逝去。昨年の義父に続き。
可愛がって下さった人たちの思い出だけが心の中を駆け巡ります。
葬儀を終え、月が変わると、それはなにか遠くの事に思えてきました。
親族たちが遺品を整理し、大半がゴミ袋の山になって、あっという間に広い家の中にあった親たちの生活の痕跡が消えていく…
倹約と労働に明け暮れた、あまりに質素な暮らしゆえ、親たちが使用したもののどれも廃棄処分にされるのは、致し方ないかもしれません。それにしても、寂しいことです。
火葬場で私は、義兄弟姉妹、甥姪たちと話しました。昔のこと、家には一本のギターがあったとか。
空いた部屋の数々…。四十九日法要の帰省の際に、このうちに音楽の種を蒔くことにしました。
義妹や成長した甥姪たちのために、休眠中の楽器を運んでくることにしたのです。みんな興味しんしんでした。おいておけば触りたくなるでしょう。触っているうちに引き込まれる人もいるでしょう。誰も住まない家に、みんなが通ってくるでしょう。と、そんな事を思い描きながら、楽器を持ってくるからね、とみんなに約束しました。
お義母さん、さようなら、そして、ありがとうございました。