2011年12月13日火曜日

ロマ音楽:ジプシー、オーケストラに参加!

「Le Concert」
爽快なフランス映画です。ロシア語とフランス語が飛び交い、ロシア人の身体にしみついたソ連時代の名残りが、随所で観客を笑わせてくれます。
特に、ロマ音楽の演奏者がオーケストラで演奏する設定には、この上なく胸わくわくです。

◆あらすじ◆
30年前にブレジネフ批判をして指揮者を解雇され、今はボリショイ劇場の掃除夫のフィリポフ。支配人の部屋を掃除中に来たパリの劇場からの演奏公演依頼ファックスを見て、夢の計画立案。
昔の仲間を集めて、にわか楽団結成。ゲスト演奏者にフランスの著名新進女性バイオリニストを指名して、自分たちはボリショイ・オーケストラになりすまし、パリへ。
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◆ロマ音楽の登場場面◆
リハにやってきたプリマドンナのジャン=マリー・ジャケ。リハなのに空席だらけの団員の椅子。団員は町に繰り出してキャビアを売ったり、バイトしたりと生活費稼ぎ中。ジャケが不快感をあらわにしていると、そこに現れたのがジプシーバイオリニスト(Anghel Gheorghe。ルーマニアの著名なロマ楽団 Taraf De Haidouksのメンバー)とその仲間。現地調達した楽器や衣装を持ち込み、すぐさまバイオリンを手にします。
彼女の周囲を回りながらバイオリンで、最初はジプシー曲を弾き、周囲がそれに乗せられて踊りだしそうな雰囲気に。ジャケの表情は硬く曇ります。でも。
Anghelが突然、パガニーニの「カプリチオ24番」に移り、クラシック奏法で超絶技巧を見せると、彼女の顔から不安がすぅっと引いて笑みが浮かびます。

彼女の台詞:「どうやったの?倍音のアルペジオの指使い・・・」

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蛇足情報:

このフィドラーはアンゲル・ゲオルゲさん。本国ルーマニアのウィキペディアの紹介によりますと、1938年生まれなので、映画のとき(2009)には71歳。本当でしょうか?見えませんね、お若いです。

彼の楽団タラフ・デ・ハイドゥクスは1990年頃から世界的に注目され始めたルーマニアを代表するロマ楽団。ジョニー・デップがこの楽団の大ファンであるのは有名。