1月2週目の練習日朝、先生からの緊急事態メールでみんなチジミあがりました。
アカペラコンサート本番が目の前にせまっている今、メインのソプラノさんが出られないかも、というニュース。
3人分の声量を持ったソプラノさんです。残るソプラノは2名。誰も彼女の代わりはできません。ほとんど、ひとり1パートで歌ってきましたから、誰かが欠けるなんて誰も想像していませんでした。
……
練習はイレギュラーこの上なく、先生は、彼女なしでは歌えない歌を急きょプログラムからはずし、組み直しました。
昔歌った無難な曲に差し替え、曲数が少なくなった分、お客さんと歌う曲を増やしました。
そんな中、みんな落ち込んだり、励ましあったり、目まぐるしい時間を過ごしました。
その夜、ソプラノさんからの連絡で、とりあえず出られそう、と分かり、みんな胸をなでおろしました。
健康上の理由とのことでしたから、みんなとても心配したのです。
先生は即座にプログラムをもとにもどし、私たちは、また難しい歌を何曲も、少しでも仕上げようと、スケジュールの合間にいくつもの自主練を入れ、目の前の本番に向かいます。
まるでジェットコースターに乗っているような一日でした。
今までも人数が欠けたことはありました。
家族の慶弔などでいっぺんに3人も出られなくなり、5人と先生だけで乗り切ったフェスティバル。
私も入団当初、親の病気で本番を当日ドタキャンしたことがあります。私を責める人はなく、アルト一人で頑張ってベース部分を入れてくれた仲間にはとても感謝しています。
思い返せばたくさんのハプニングがありましたが、どんな窮地に陥っても、先生は「やり遂げる」姿勢を崩しませんでした。
このことを今、しみじみと噛みしめています。