2009年7月27日月曜日

ウッディ・ガスリー:プロテストソングの原点

今日付け(7月27日付)のVOA番組で、アメリカン・フォークの系統樹の記事がありました。一部をご紹介します。(Source: シリーズ"This Is America"より)

若手フォークシンガーソングライターのエイミー・スピースの意見によると、プロテストソングのさきがけとなったウッディ・ガスリーがその系統樹の中心にある、としています。
プロテスト・ソングは、その後、ピート・シーガー(The Weavers元メンバー)、ボブ・ディラン、ジョーン・バエズと引き継がれ、市民の思いを声にして広く届ける、という文化的・社会的役割を果たして行きました。

ガスリーの名前は知らなくても、「This Land Is Your Land」を知らないアメリカ人はいません。学校で誰もが習う曲だからです。一般には、アメリカ人の祖国への誇りと愛を歌っている曲と思われているようですが、実はプロテストソングなのです。

彼は1940年にこの曲を書きました。動機は、アービング・バーリンの書いた
流行歌「God Bless America 」に反発して、皮肉を込めて書いたものです。
1940年ごろは、まだ1930年代の大恐慌の傷跡が癒えず、巷に貧しい人たちが相変わらずあふれていた時期です。ですから、彼の歌詞の内容は、歌を追うごとに皮肉をこめたものとなっていきます。

◆この国は君のために作られた・・・というが、国のあちこち、隅々を歩いてみると・・・
◆立ち入り禁止の立て札があったが、反対側の連中に対しては禁止してないぞ・・・
◆町の隅、教会建物の陰、救済所に貧しい人がいて、不満をぼやき、疑問を投げかける・・・本当にこの国は俺たちのために作られた国なのかい・・・?と。
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なるほど。
ちなみに、エイミー・スピースのプロテストソングは、
イラク戦争の端緒となったイラク・クウェート戦争(砂漠の嵐作戦)で戦死した自分の兄への思いを歌った、「The Weight of the World」(世界の重さ)があります。