2009年7月27日月曜日

トム・ドゥーリー


Tom Dooley の歌曲がVOAで流れていました。

なんともなつかしい曲です。
粘りに粘ってついにレコードプレーヤーを買ってもらった小学生の兄が、初めて手に入れたレコードを擦り切れるほど聞いていた、その中の1曲。キングストン・トリオの曲です。

英語もわからないのに、前せりふから歌詞まですっかり覚えて実にそれらしく歌っていました。今から思えば、英語の学習法のひとつであるシャドーイングをして覚えたのでしょう。歌詞の意味などまったく知らずに・・・。
中学生になったころには辞書を調べたらしくて、「トムは女性を刺しちゃったみたいだな」と教えてくれましたが、その後歌は聞かれなくなりました(部活や受験勉強もあったし・・・)。
歌詞の意味はともかく、今でもこの曲は兄のテーマソングなんだ、とひそかに思っています。

◆曲はノースカロライナ発祥のフォークソングです。時は南北戦争後のアメリカ。ノースカロライナの元南軍兵士トム・ドゥリー(Tom Dulaと綴る)が1866年にフィアンセのローラ・フォスターを刺殺したという事件で、1868年に絞首刑になった話ですが、この事件の裁判は多くの問題を残しました。トムのもう一人の愛人女性アン・メルトンの犯行だった可能性があったからです。
◆自分はローラになんの危害も加えたことはない・・・だが自分は罰を受けるに値する・・・と裁判で述べてあえて死刑になったトム・・・
◆この事件の裁判と処刑の事実が広く知られることになったのは、ニューヨークタイムズ紙や当時彼を無償弁護したのちの同州知事ゼブロン・ヴァンスらによる努力の賜物でした。
◆地元の詩人トーマス・C・ランド がトムの処刑後、トム・ドゥーリーの悲劇を歌にしました。この歌は多くのバージョンを生み、時を越えて歌われてきましたが、中でもキングストントリオのレコードリリースによる「トム・ドゥーリー」は大ヒットし、この唄にアメリカンフォークの中での不動の地位を与えました。
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歌詞の意味が分からなくても、心を打つ、いつまでも口ずさむ・・・そんな曲のひとつです。