2011年1月28日金曜日

ハーモニーの崩壊:ソプラノなしのアカペラ練習

ソプラノの2人が風邪でダウン。
メゾとアルトだけの練習になりました。

最低音を歌っている私が、転調部分でしばしば音を求めて難民化する曲、
Over the Rainbowは、ついに歌い続けられず、何度もストップしました。
これまでになく気味悪いハーモニーです。
ストップしたのは私だけではありませんでした。
転調部分以外でも、メゾさん同士のハーモニーやアルト同士のリズムがずれたり、数箇所でハーモニーが壊れていました。(過去最悪の出来です)

先生にソプラノの一番高いパートを歌ってくださるようにお願いしました。
ソプラノが入るとようやく、いつものハーモニーに戻ることができました。

みんながソプラノの音を聞きながら音をとっていたことがよく分かりました。

自分的には、ソプラノだけでなく、他のアルトも聴きながら、ハモっているかどうか確かめています。また自分がロングトーンのところでは、全体がハモっているかどうかも意識しています。細かな確認作業をしながら歌っている、と思っています。こうした作業は、全編無意識のうちに身体が自然にできるといいな~といつも思います。

暗譜は大変よね、とみんなで言い合ってきましたが、今までは歌詞を覚えることが大変、という意味でした。でも今、暗譜の難しさは、歌詞を覚えることではなく、正確な音を出すことなんだ、とつくづく思います。

先生曰く:「今日は色々なことがわかって、よかったわね~♪」

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2011年1月20日木曜日

リズム:身体の深奥から湧いてくる不思議なパワー

音楽に関わるものはすべて音楽の授業、に見えます。
思えばバンド活動もアカペラもステージPAサポート活動も、私にとってはすべてが音楽の何かを発見することに思えています。(変人ですね、もう)

◆グルーブ感とは:
昨日のアカペラ練習では、アルトとメゾのみんなで、早めに集まり、うまくハモれない箇所を自主練しました。仲間のひとり(ピアノの先生)に、その箇所を弾いてもらいました。3連符で進む楽譜どおりの音の流れなのですが、なぜか乗れないのです。グルーブ感がまったくありません。どうしてなのか・・・不思議でした。
そのピアノの音からリズムが聞こえてこなかった・・・そんな気がしました。
いや、正確には、「リズムが伝わってこなかった」と言うほうが・・・近いかも。

リズムは不思議です。伝わってくると、共振を起こし、その波はさらに伝わっていきます。そうやって共有され、集団の中に深いグルーブ感を生み出す・・・

なぜ音楽が生まれてきて生活の一部になったのか、今は不思議だとは思っていません。
なぜなら、私たちはリズム源を身体の臓器として生まれ持っているからです。
それはあらゆる活動へといざなう不思議なパワーに満ちています。
そのせいでしょうか・・・リズムなしの音楽は考えられない、と思えるのです。
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などと書きつつ…
パーカッションの練習をサボっている最近です・・・

2011年1月19日水曜日

低音部:リズムとハーモニーの支え

アカペラ本番舞台まで練習はあと5回。
いよいよ緊張感が漂う練習になってきました。

◆音取りに悩むOver the Rainbow
今日はずっとよくなった、と先生から言われ、少しほっとしました。
他のパートさんたちからも、「今日はすごく歌いやすかった」と言われました。

アルト最低音部はいわばベース。真ん中のドがC4とすれば、この曲の音域はE3-A4と低いところで終始しますが、ソロ部分も数箇所あります。
先生は、「ソロ部分は、アルトらしい声(野太い声?)で高らかに歌ってね」と。

時にリズム、時にロングトーンで下支えします。これが怪しい音(狂いは数ヘルツ?)を出すとかなり気味悪いハーモニーになります。
歌っている最中、指揮をする先生の表情でそれがよく分かります。

難しい・・・今日もやはり思いました。
転調の際、最初の音に自信がもてず、正確に取れない・・・この原因はなんだろう・・・?いつも悩みます。
よく知っている別の歌の一節から同じ音の流れをピックアップして、それを意識してとろうとしてきましたが、これがなかなかうまくいきませんでした。

それで昨日は練習方法を変えました。
そのまま覚えることにしたのです。
何度も練習して覚える・・・それしかないかも。
なぜなら、頭の中で「次はあの歌の出だしの音で・・・」などと思考していると、とたんに集中力が落ちるのです。「小細工」に気をとられて、歌の流れへの集中が途切れるのです。

自分的には、歌いながら、自然に次の音が浮かんでくる、という状態にならねばならない、と感じています。
指揮を見ながら一体になるためには、完全暗譜です。つまりまだ練習不足。
当たり前のことに、いまさら気づいたような・・・ちょっと情けない自分。
楽な道はありません。でも、ハモったときのあの感動を思い出して、練習を続けよう。
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◆ミニミニ鍵盤:
幸運にも入手できたミニミニ鍵盤KB。今日は持参した譜面台の上にちょこんと乗せて、先生の到着を待ちました。先生は大喜び。(やった!)
あいにく同時発音数は2音なので、みんなにハーモニーを弾いて聞かせることはできませんが。

2011年1月15日土曜日

音鳥(音取り)の味方:ミニミニ鍵盤KB入手

ついにミニ鍵盤KBをジャンクコーナーで発見しました。
カシオのSA-2初期型(32鍵)です。最大同時発音はわずか2音ですが、音取りには十分。やった!!!(超安価に目的達成するのが生きがいです~)

シンプル機能、サイズは370mm x 95mm x 30mm。 なにより軽い!単三電池4個入れても480G です。
Simple is best!!!! ばんざ~いぃ~♪♪
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アカペラの指揮者の「音取らせ」作業は大変なのです。なにが、かというと、ピアノの無いところで、みんなに最初の音を与えなくてはなりません。先生がご自分の声で音を出すと見事なビブラートがかかるので、みんなとれません。

うちの先生は、調子笛(12音の出る円盤型の笛)を口にくわえて、各パートに向かって、「あなたたちの最初の音はこれよ」と音で伝えてくださいます。本当のところ、先生から見れば、みんなに1音与えれば、各パートが即座に自分の音を取れる、というのが理想なのですが、とてもとても…

調子笛は音の一つ一つを目で確かめながらマウスピース部分をくわえて鳴らすので、次の音をだすまでに多少時間がかかります。先生もご不便そうな表情でマウスピースの表面に小さな文字で書いてある音階を探しておられました。

昨年夏ごろ、某混声合唱団の盛大なコンサートに行きました際、カシオ製ミニ鍵盤のKB(実はMIDI入力用KBのGZ-5でした。定価12800円、アマゾンでは5000円くらい…)を使っておられるのを見ましたもので、早速、それをわが先生にお奨めしました。
みんな音取りの練習には生のピアノを使ってきましたから(みんなピアノの先生ばかりです)、どうも安っぽい子供用のミニ鍵盤には抵抗を感じるようです。
今更それだけのために出費するのもねぇ・・・などと盛り上がらず、そのうち立ち消えになりました。

さて、2月のコンサートが近づいてきて、昨年末、再び音取りをどうするかが、話題になりました。やはり余計な出費はできない、と誰かKB所有者が持ってくることに。私のところにあるのはあるのですが、比較的小さいものでも長さ70cm、本番ではKBスタンドが必要です。車で行ける練習会場で使ってみようということで、私が持参することになりました。
しかしやはり、譜面台にちょこんと置けるミニミニ鍵盤が頭から離れませんでした。ず~っと頭から離れなかったので、リサイクル屋さんには小まめに寄りました。小まめに小まめに。

問題は、鍵盤の小ささです。いまどきの子供にも弾きにくいのでは、と思われる小ささ。大柄な先生の華奢な「小指」にでも期待することにしましょう。

2011年1月14日金曜日

Vアコーディオン

アコーディオンの練習を休むことにしました。
左肩と腕が蛇腹をちゃんとコントロールしてくれないためです。彼らにしばらくお休みを与えることにしました。

え?Vドラムは大丈夫なのかって?
大丈夫です。これも工夫しました。スティック持ってあちこちのパッドを叩くのと違い、10年前のコンパクトパッド式Vドラムは打面を6区画に区切ったゴムパッド。膝に置いて、手で叩くと、肩への負担は無く、極端に言えば、左手は手首から先で充分。

さてVアコのことです。昨年末にイタリア文化交流会館で、イタリアの著名なアコーディオニストがローランドの主催で最新式Vアコを使ったコンサートを行いました。
期待して行きましたが、びっくりです。これがアコーディオン?

見かけはまったくのアコーディオンですが、アコーディオン型にしつらえたKBシンセです。音源はMIDIでリードではありません。ですから瞬時に好きな音色に変えられ、またドラムも入れられます。この瞬時に切り替えられるという操作性のよさがアコーディオン型の最大メリットで、従来のKBよりはるかに操作性に優れています。一人オーケストラも自在可能です。

これをアコーディオンと呼ぶにはいたく抵抗を感じました。
本来「手風琴」ですから、風を操って音を奏でるのがアコーディオン。ベローの操作で発声するのです。
この風なくしてアコーディオンと呼べるのか・・・と。

いやいや待て待て・・・Vアコに触れたこともなくもの申しておる・・・
ひとつ確かめに出向いてみよう

2011年1月12日水曜日

Vドラムで初練習:マンドリンさんサポート

今日はマンドリンさんの練習に古いVドラムで参加しました。

午前中はアカペラでコテコテに絞られ、「虹のかなたに」でいまだに後半転調の後の音とりが怪しく、心は泣きっ放し…(本番前には仕上げるぞ)
アカペラ練習が終わるとすぐに電車に飛び乗って、駅ロッカーに預けていたVドラムとアンプスピーカーを手に練習会場へ。(これが4月まで続くのです)
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マンドリンさんのバンマスさんは、学生時代から指揮者をしていたベテランです。選曲、編曲なんでもこなし、楽器もギター、マンドリン、マンドラ、マンドセロと幅広くカバー。もともとアコースティックバンドには電子楽器はどうも合わないと思うのですが、バンマスさんの強いご希望でした。

やってみて分かったこと:
バンマスさんのほしい音源が少なくて、限定音色でフォローしました。
Vドラムの音源はポップスやロックにフレンドリー。
マンドリンさんの繊細な音には野太いバスドラは不釣合い。
ハイハットとスネアで十分・・・(ぴったりの音色が乏しいのでね…)

何度かあわせている内に、大体OKになりました。
打楽器がほしい曲は次の5曲になりました。
・いい日旅立ち
・駅馬車の旅(駅馬車、テキサスの黄色いバラ、ゴスペルなどのメドレー)
・コンドルは飛んでいく
・サンバ・ブラジル
・古賀メドレー

聞いてみると、明らかに打楽器不要(入れようがない)の曲も多くあります。
練習の終わりに素敵な曲の演奏を聴きました。
Lavitrano, Giacinto作、NIEVES Romanza Bolero「雪(ロマンスとボレロ)」:1910年ミラノの「イル・プレットロ」主催で行われた第2回国際作曲コンクールの受賞作です。ファーストマンドリンの調べは、時に舞い落ちる雪片を思わせ、冬景色を見るようでした。

心配していたVドラムも受け入れて頂けたようです。
よかった。

自立探るイタリアのロマ族女性

イタリアのロマ族女性たちが手作り仕立て屋で自立しようとしています。

昨夜のNHK衛星放送番組は、イタリア人製作者によるドキュメンタリーを放送していました。取材されたのは、イタリアに住むロマ族キャンプ。

ロマ族の独特のファッションセンスと、仕立ての腕に着目したのは、ロマ音楽研究者の女性でした。ロマ族は自分たちの衣類は家庭で作っていましたから、裁縫技術は家庭で培われるのです。
彼女から仕立て業で身を立てる話を受け、4人のロマ族女性は、手作りで独特の衣装を製作、ファッションショーにも展示する機会を得て、製品をおいてくれる店が現れ、彼らの作る衣装を支持する人たちが増して行きます。

読み書きの殆ど出来ない女性たちが、ミシン店で1ヶ月以上かけて使い方を教わり、ついには場所を借り、活力ある起業家やグループに贈られるイタリア政府の助成金を得て、ミシンを購入。そして、若いロマ族少女たちを集めて、その技術を教育し始めました。

わずか20分ほどの番組でしたが、大変印象的でした。
放浪の人生から定住への第一歩となるのでしょうか。

2011年1月10日月曜日

作戦変更:生楽器に代えて古いVドラムでサポート

先日、走行中にカーラジオをつけると、FMエイティー・ラブから「君は天然色」が流れてきました。あ~いいなぁ~♪久しぶりです。山下達郎さんと大瀧詠一さんの「新春放談」でした。26回目だそうです。(凄い!26年も続いて…)
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マンドリン・アンサンブルさんの打楽器ヘルプの練習が始まります。
本番は4月。でもアカペラの練習日とかぶるので、毎回参加できる時間は半分です。

昨年末、第一マンドリンのパート譜を頂きました。
ご要望は、なるべくアコースティック楽器で入れること。
でも、楽器運搬の手間が大きいことや、練習会場の駐車場費用が高いことから、生楽器の小物以外はVドラムでOKになりました。
曲のイメージで、適当に打楽器リズムを考えて入れることにしました。

ボンゴひとつで「サンバ・ブラジル」などを入れてみました。
色々やってみましたが、他の小物の音も欲しい・・・
そうなるとやはりVドラムです。
私の持っているVドラムは初期のタイプで、10年も前に購入したものです。
PCM音源なので、音はそれなりなのですが、バリエーションがありません。
ボンゴについてはスラップ高低の2種類しかありませんが、他のパーカッション小物の音をセッティングできます。

最初の練習は、このコンパクトなVドラムを持って練習に行くことにしました。
プラス、アンプ/スピーカー持参です。膝において手で叩くことに。
駅のロッカーに預けて、アカペラ練習の帰りに取り出して、練習にいけます。
スティックやスタンド、ボンゴが減るだけで運搬がかなり楽になります。
マンドリンのバンマスさんも、とりあえずOKしてくださるでしょう。
やってみてから、また考えよう・・・

2011年1月5日水曜日

ロマ音楽: テンポにも音価にもこだわらない自由なリズム

ロマ音楽の豊かな情緒性、自由な表現にはとても惹かれます。
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数年前に、アカペラコーラスを始めてから、レパートリーのハンガリー音楽にジプシー調音楽の香りを強く感じるようになりました。その香りが気になり、たどるうちにロマ音楽に出会いました。

現在アカペラで歌っているハンガリー作曲家の作品には変拍子めまぐるしいものが少なくなく("Tel" :冬、など)、ロマの自由な生き方→感じる心のままにテンポや音価が変化→楽譜のようなものには縛られない・・・といった魅力にあふれているからです。(我がアカペラでは、その自由は指揮者のものですが)。

ジプシーと呼ばれてきたロマ族が放浪の民であるせいでしょうか、その音楽には、様々な異文化の影響も見て取れます。
Klezmer(東欧ユダヤ系の音楽ジャンル)音階の曲もあります。また、ギリシャの影響でしょうか、7/8拍子の曲もあり、これは1-2-3,1-2,1-2と数えると拍子をとりやすいです。

とりよせた本『ジプシー・バイオリン』(メアリー・アン・ハーバー著)によりますと:
「ジプシーのバイオリニストたちは、旅を通して東欧や中東の音楽イディオム(音楽的単語の連結による表意、とでもいいますか・・・)を同化してきた。」

のだそうです。なーるほど~♪

でも今、ロマ族は窮地に立たされているようです。
昨年初冬のTime誌にはイタリアで強制退去させられるロマ族の人たちの記事が載っていました。ちょうどフランスでも同様の動きが高まり、EU諸国に派生しつつあるようでした。ロマ族の人たちは、その生活スタイルを変えず、排他的であることから、行った先々で排斥されるようです(昔ですが、そうやってアメリカに移民した人たちの中には、チャップリンやボブ・ホスキンスといった、ハリウッドで名を成した人たちもいます)。

今朝のTVでは、琴と尺八を弾くアメリカ人デュオを紹介していました。
二人は20数年前に、それぞれ和楽器に惹かれて来日。現在では日本人に教えています。彼らいわく、「琴と尺八は、日本の風土に実にあっています。日本人はもっと子供たちに和楽器を教えるべきです。」
インタビュアーもたじたじのコメントでした。
沢山の日本人が、彼らの演奏に感動して聞き入っている様子が印象的でした。

変化が加速度を増すこのごろ、
ロマ音楽も、急速にこの流れに飲み込まれていくのでしょう・・・か・・・
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蛇足:

◆フィドルとバイオリンの違い:
ところで、フィドルはバイオリンと同違うの?とよく言われます。
楽器は同じものですが、演奏スタイルが違う、とでも言いましょうか・・・
ガルネリでもストラディバリでも、庄司沙矢香さんが弾けば、バイオリン。
Natalie McMaster(Scottish fiddler)が弾けばフィドル、といった具合です。

◆ロマ族:
ロマ族はジプシーと呼ばれることが多いのですが、これはロマ族がエジプト人と思われたことから発祥した呼称です。定住せず移動する民族でも、ロマ族は遊牧民と異なり、音楽やダンス、占いなどで生計を立て、独特の文化を作り出した民族。定住しても地域に溶け込まず、その排他性が問題視され、現在、ヨーロッパ各地で排斥運動が表面化しています。

2011年1月4日火曜日

ソ連製バラライカ


年末の雑事の合間にリサイクル屋さんの楽器エリアの見回りに。
エレキギターが吊られた壁面の端っこに古びたバラライカを発見。

古っ!!!
消えかかったロシア文字で「ベリョースカ」の小さなラベル。
わ~い、なつかしい文字だなぁ~~~♪
「ベリョースカ」は、ソ連時代の外貨ショップの呼称で、
外国人向けのお土産品売り場。外国人向けホテルには必ずありました。
毛皮、ウォッカ、コニャック、琥珀細工、キャビアやイクラの缶詰、ウラル地方やシベリアでとれる貴重な鉱物や石の細工品などがショーウィンドに並んでいました。外貨は主にドルが通用。
初めての海外旅行は安いソ連旅行でした。横浜から船でナホトカへ。ハバロフスクまで鉄道。そして飛行機で次のイルクーツク訪問。そしてモスクワへ。モスクワは寒くて8月なのに日本の真冬の気温。若輩者には驚きの連続でした。
帰りはもちろん、ベリョースカに。そこでソ連製ギターを買って帰りましたが、ネックがはやばやと反り返り、音が狂い、すぐに使えなくなりました。
次のギターを買うまでに、せっせとバイト。1年後、やっとまともなギターを買いました。
さて、この中古バラライカのお値段は1050円。

無理もない…楽器と呼べるものでなく、お土産品です。

音響穴をのぞくと、ソ連時代の工場出荷ラベルが張ってありました。

ラベル銘:
ルナチャルスキー記念楽器製造工場(ロシア社会主義共和国)
製品NO.205
製造方式:エアブラシ塗装
価格:6ルーブル70コペイカ
保証期間:9ヶ月
工場住所:レニングラード市、61区、チャパーエフ通り15番地。

つくりは粗悪で、フレットの位置は不正確。
金属は錆びていて、音は響きませんでしたが、木製部分は荒削りな、しかし使われている木は、豊かな森林で緻密に育った針葉樹です。
ロシアの木工細工の特徴が出ていて、なんとも懐かしい香りがします。

つぎにロシアに行ったのは、ソ連崩壊後でしたが、経済混乱の時代で、イルクーツクのイコン作家がみやげ物のホフロマ塗りだけでは足りず、日用品(まな板や鍋敷など)に手書きの絵を施して売っていたのを思い出します。道端に並ぶ、彼らの手作りの木工品の味が、このバラライカからします。

弦を除き、金具を磨き、木部の汚れを拭うと、見違えるほど美しい木目が現れました。楽器としては不足ですが、あの豊かなロシアの森からやってきたバラライカです。

壁にかけてみました。
なんと・・・美しいフォルム… \(^▼^)/