2011年1月4日火曜日

ソ連製バラライカ


年末の雑事の合間にリサイクル屋さんの楽器エリアの見回りに。
エレキギターが吊られた壁面の端っこに古びたバラライカを発見。

古っ!!!
消えかかったロシア文字で「ベリョースカ」の小さなラベル。
わ~い、なつかしい文字だなぁ~~~♪
「ベリョースカ」は、ソ連時代の外貨ショップの呼称で、
外国人向けのお土産品売り場。外国人向けホテルには必ずありました。
毛皮、ウォッカ、コニャック、琥珀細工、キャビアやイクラの缶詰、ウラル地方やシベリアでとれる貴重な鉱物や石の細工品などがショーウィンドに並んでいました。外貨は主にドルが通用。
初めての海外旅行は安いソ連旅行でした。横浜から船でナホトカへ。ハバロフスクまで鉄道。そして飛行機で次のイルクーツク訪問。そしてモスクワへ。モスクワは寒くて8月なのに日本の真冬の気温。若輩者には驚きの連続でした。
帰りはもちろん、ベリョースカに。そこでソ連製ギターを買って帰りましたが、ネックがはやばやと反り返り、音が狂い、すぐに使えなくなりました。
次のギターを買うまでに、せっせとバイト。1年後、やっとまともなギターを買いました。
さて、この中古バラライカのお値段は1050円。

無理もない…楽器と呼べるものでなく、お土産品です。

音響穴をのぞくと、ソ連時代の工場出荷ラベルが張ってありました。

ラベル銘:
ルナチャルスキー記念楽器製造工場(ロシア社会主義共和国)
製品NO.205
製造方式:エアブラシ塗装
価格:6ルーブル70コペイカ
保証期間:9ヶ月
工場住所:レニングラード市、61区、チャパーエフ通り15番地。

つくりは粗悪で、フレットの位置は不正確。
金属は錆びていて、音は響きませんでしたが、木製部分は荒削りな、しかし使われている木は、豊かな森林で緻密に育った針葉樹です。
ロシアの木工細工の特徴が出ていて、なんとも懐かしい香りがします。

つぎにロシアに行ったのは、ソ連崩壊後でしたが、経済混乱の時代で、イルクーツクのイコン作家がみやげ物のホフロマ塗りだけでは足りず、日用品(まな板や鍋敷など)に手書きの絵を施して売っていたのを思い出します。道端に並ぶ、彼らの手作りの木工品の味が、このバラライカからします。

弦を除き、金具を磨き、木部の汚れを拭うと、見違えるほど美しい木目が現れました。楽器としては不足ですが、あの豊かなロシアの森からやってきたバラライカです。

壁にかけてみました。
なんと・・・美しいフォルム… \(^▼^)/